水質・バクテリア

アンモニアの毒性は水温とpHで変わる:計算式と早見表

アンモニアの毒性は水温とpHで変わる:計算式と早見表

試験紙でアンモニアを測ると、「0.5 mg/L」のような数値が出ます。ところが、同じ0.5 mg/Lでも、水槽のpHや水温によって、魚への危険度は大きく変わります。この記事では、その理由と計算式、早見表をまとめます。

運営者が公開されている式を使って計算したもので、実験ではありません。式の出典は記事の最後にあります。

この記事でわかること

  • 水中のアンモニアは、アンモニウムイオン(NH4+)と非解離アンモニア(NH3)の2つの形で存在します。
  • 窒素化合物の毒性を比べた総説では、水の動物にいちばん毒性が高いのは非解離アンモニア、アンモニウムは低いほうとされています。
  • 2つの割合は、pHと水温で決まります。pHが高く、水温が高いほど、毒性の強いNH3が増えます。

アンモニアは2つの形で水に溶けている

水に溶けたアンモニアは、NH3 + H+ ⇄ NH4+ という平衡の状態にあります。pHが低い(酸性側)と水素イオンが多いので、NH4+の側に傾きます。pHが高い(アルカリ性側)と、NH3の割合が増えます。

試験紙やキットが測るのは、多くの場合、この2つを合わせた「総アンモニア」です。どちらの形がどれだけあるかは、測定値からは分かりません。そのため、pHと水温から計算で求めます。

計算式(Emerson ほか、1975年)

NH3の割合は、次の式で求められます(T は絶対温度=水温℃+273.15)。

pKa = 0.09018 + 2727.92 ÷ T
NH3の割合 = 1 ÷ (1 + 10(pKa − pH))

25℃だとpKaは約9.24です。pHが7なら、NH3の割合は約0.57%です。公開されている解説では、この式は0〜50℃の範囲で使えるとされています。

早見表:総アンモニアのうち、NH3が占める割合

水温\pH6.57.07.58.08.5
20℃0.13%0.40%1.26%3.87%11.28%
25℃0.18%0.57%1.79%5.45%15.41%
28℃0.22%0.71%2.20%6.63%18.34%
30℃0.26%0.81%2.51%7.54%20.49%

たとえば、28℃で総アンモニアが0.5 mg/Lのとき、NH3は次のようになります。

  • pH 6.5:約0.0011 mg/L(割合0.22%)
  • pH 8.0:約0.033 mg/L(割合6.63%)

同じ試験紙の数値でも、pH 8.0では、pH 6.5の約30倍のNH3がある計算です。

水槽での読み方

  • pHが高い水槽ほど、アンモニアに注意。pHを高めに保つ水槽(たとえばマラウイ湖のシクリッドの水槽)では、同じ数値でも危険が大きくなります。
  • 夏は特に注意。水温が上がると割合も上がります。表では、pH 8.0で20℃は3.87%、30℃は7.54%です。
  • 水換えの前に測るなら、pHも一緒に。総アンモニアの数値だけでなく、同時にpHを測っておくと、危険度が読めます。
  • ここでは「安全な値」は示しません。耐えられる濃度は魚種や浴びる時間で変わり、資料により値も異なります。この記事が示すのは、数値の読み替えだけです。

pHと水温を入れるとNH3の濃度を計算するアンモニアの計算ツールを、水槽の計算ツールに追加しました。pHの測り方はpH測定の記事、立ち上げ時のアンモニアの扱いは立ち上げ初日の記事 でも触れています。

参考文献

  1. Emerson, K., Russo, R.C., Lund, R.E., Thurston, R.V. (1975) Aqueous ammonia equilibrium calculations: Effect of pH and temperature. Journal of the Fisheries Research Board of Canada 32(12): 2379–2383. doi:10.1139/f75-274
  2. Camargo, J.A., Alonso, A. (2006) Ecological and toxicological effects of inorganic nitrogen pollution in aquatic ecosystems: A global assessment. Environment International 32(6): 831–849. doi:10.1016/j.envint.2006.05.002

式の定数は公開されている解説(Rの AmmoniaConcentration パッケージの文書)で確認し、25℃・pH7の割合が約0.57%になることを計算で確かめています。早見表は、この式で運営者が計算しました。

こちらの記事もおすすめ

サイト運営者

もーりー

水族館で1年半の飼育業務、アクアショップで3年間の販売業務を経験。お店でよく受けた質問をもとに、飼育で迷いやすい点をまとめています。

プロフィール詳細はこちら →

このコラムは下書きにAIを使っています。「運営者の体験」「運営者の見解」の節は運営者本人の経験です。 運営方針・記事の作り方

コメント

あなたの水槽ではどうでしたか?

この記事と同じ経験、違った結果、うまくいった工夫があれば、コメントで教えてください。実際の体験は、同じ悩みの人の参考になります。

まだコメントがありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コンテンツを探す

アクアリウムをより楽しく、より深く。

最新の飼育コラム

もっと見る

現在、新しいコラムはありません。